鉄分は「貧血予防」のイメージが強いですが、それだけでなく、ダイエットやトレーニングの効率にも大きく関わります。
特に、エネルギー代謝の要である「クエン酸回路(TCAサイクル)」との関連を理解すると、減量中でもエネルギッシュにトレーニングを継続できるようになります。
こんにちは、ハーモニーフィットネスです。今回は、鉄分の役割・エネルギー代謝・ダイエットの関係について深掘りしながら、鉄不足を防ぎつつ減量を進めるための食事法も紹介します。
鉄分の役割とダイエットへの影響
鉄は主に以下の3つの働きを持っています。
- 酸素の運搬 → ヘモグロビンの材料となり、酸素を全身へ供給する。
- エネルギー代謝 → ミトコンドリアでのATP(エネルギー)産生を助ける。
- 脂肪燃焼の促進 → 酵素の補助因子としてクエン酸回路をサポートする。
特に「エネルギー代謝」と「脂肪燃焼」の部分が、ダイエットと深く関わってきます。
鉄分が不足するとダイエットが停滞する?
鉄が不足すると、クエン酸回路や電子伝達系の働きが低下し、脂肪燃焼の効率が落ちます。その結果、以下のような状態になりやすくなります。
- 基礎代謝の低下 → 1日の消費カロリーが減る
- 脂肪燃焼の低下 → 運動してもエネルギーをうまく生み出せない
- 疲れやすくなる → トレーニング強度が下がる
- 低血糖になりやすい → 食欲が乱れ、過食のリスクが上がる
特に女性や減量中のアスリートは、鉄の摂取量が不足しやすく、意識的に補給しないとダイエットが停滞しやすくなります。
クエン酸回路と鉄の関係
― クエン酸回路とは? ―
クエン酸回路(TCAサイクル)は、体内で糖質・脂質・アミノ酸をエネルギーに変換するシステムです。 ここで効率よくATP(エネルギー)が作られないと、脂肪燃焼もスムーズに進みません。 この回路の中で、鉄が関与するポイントは主に2つです。
① 酵素の働きを助ける
クエン酸回路の中には、鉄を必要とする酵素がいくつかあります。 特にアコニターゼやα-ケトグルタル酸デヒドロゲナーゼは、脂肪燃焼やエネルギー産生に重要な働きをしています。 鉄が不足すると、これらの酵素がうまく機能せず、エネルギーが作りにくくなり、脂肪燃焼効率も下がります。
② 電子伝達系のサポート
クエン酸回路で生み出されたエネルギーは、最終的に「電子伝達系」を通じてATP(エネルギー)として利用されます。 ここで重要なのが「シトクロム」と呼ばれる鉄を含むタンパク質です。 シトクロムが十分に機能することで、ATPの産生がスムーズに進み、体温を維持しやすくなり、脂肪燃焼が加速します。
減量中でも鉄をしっかり摂る食事法
① ヘム鉄を意識的に摂る
鉄には「ヘム鉄(動物性)」と「非ヘム鉄(植物性)」の2種類があります。減量中でも吸収率の高いヘム鉄を優先的に摂ると、エネルギー代謝の低下を防ぎやすくなります。
ヘム鉄を多く含む食品
赤身肉(牛肉・レバー)
魚(マグロ・カツオ・イワシ)
卵(特に卵黄)
非ヘム鉄を多く含む食品
ほうれん草、小松菜
納豆、大豆製品
ナッツ類
② ビタミンCと一緒に摂る
非ヘム鉄はそのままでは吸収率が低いため、ビタミンCと一緒に摂ると吸収がアップします。
✅ おすすめの組み合わせ
ほうれん草 + レモン(鉄の吸収を2倍以上に!)
納豆 + キムチ(発酵食品で吸収率UP)
赤身肉 + ブロッコリー(減量中にも最適)
③ 鉄の吸収を妨げるものに注意
鉄の吸収を妨げる成分が含まれる食品は、摂取タイミングを工夫しましょう。
⚠️ 鉄の吸収を妨げる食品
コーヒー・紅茶(タンニン) → 食後30分は避ける
玄米・豆類(フィチン酸) → 発酵食品と一緒に摂ると吸収が改善
減量中の鉄補給の実践例
✅ 朝食(鉄+ビタミンC)
卵(ヘム鉄)
ほうれん草と鶏むね肉のソテー
レモン水
✅ 昼食(鉄+タンパク質)
赤身の牛肉ステーキ(ヘム鉄)
ブロッコリー(ビタミンC)
玄米(吸収を考え、少量に)
✅ 夕食(軽め&吸収率UP)
サーモン(ヘム鉄)
納豆+キムチ(非ヘム鉄+発酵食品)
味噌汁(発酵食品)
✅ 間食・サプリ(補助的に)
EAA(アミノ酸補給)
鉄サプリ(食事で不足する場合のみ)
まとめ
鉄分は、酸素の運搬だけでなく、クエン酸回路を通じてエネルギー産生や脂肪燃焼にも関与しています。
減量中は鉄不足になりやすいため、意識的に摂取することで、代謝低下を防ぎ、効率的に脂肪を落とすことが可能です。
✅ ヘム鉄(赤身肉・魚)を優先的に摂る
✅ ビタミンC(レモン・発酵食品)と組み合わせる
✅ コーヒーや紅茶は食事とずらして摂る
しっかり鉄を補給し、減量中でもパフォーマンスを落とさずに理想のカラダを目指しましょう!